宮下羽未「まちを纏う工場 -カタチによる街並みと地域との調和の提案-」
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大田区北糀谷では今後、さらに住宅が増え、工場の姿が見えなくなることが予想される。また、行政の力でのエリア分けはなく、工場単位でできる住工混在地域の特色を生かした取り組みにより、大田区の工場の活性化を図ることも重要である。そのような中で、工場で働く外国人労働者を起点に海外工場とのつながりを広げ、利益を得ながら、近隣に住む外国人労働者、日本人を巻き込みながら地域とのつながりも生む工場を提案する。
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<提案> カタチとプログラムから「まちを纏いまちに包み込まれる」工場を提案する。
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<Diagram> 平面と立体の操作から工場を工場に見せない計画をする。
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<1階平面図> 工場がカフェやショールームを纏うように配置する。グリッドにより三角形の外部空間が生まれ、各々にデッキやタイル、芝生など外部空間もパッチワークのように仕上げる。
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<部分断面図(左上)・2階平面図(右)> 工場を完全にそのほかの機能で覆うのではなく、1階上の空間で外部に繋がることで工場を少しまちに表出させる。
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<3階平面図> テラスやシェアキッチン、共用部と住居のクッションになる前庭では住居に暮らす外国人労働者が中心となり、文化交流や語学教室を行う。
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<立面図・断面図> 家型の集合であることでまちに溶け込む工場ができる。
講評:工場のボリュームは暴力的である。それが3つ集まるのならば尚更である。宮下案では建物を部分の集合として構成し、個々のボリュームを周辺に多い住宅スケールに合わせ、さらに屋根までに住宅の家型に呼応させている。この手の解法は決して目新しいものではないが、そのボリュームコントロールと総体へのまとめ上げの手腕は極めて優秀である。たとえ課題作品であっても、そこにはモノの力が帯び、コトバ以上の説得力を持っていると思う。(塚田)